ご依頼の経緯
Y様は、ご自分の死後、障害をお持ちのお子様が生活に困らないような仕組みを整えたいと考えていらっしゃいました。本来であれば、家族信託や成年後見制度などの手法を検討することも可能でしたが、今回は遺言書による対策を希望されました。そこで、できる限りご希望に応える内容の遺言書を作成することを目指しました。
Y様のご相談の背景には、お子様の生活環境について将来を見据えた詳細な計画を立てる必要がありました。また、他の相続人も既にお子様の世話に関与していることから、家族全体の協力が必要不可欠でした。
担当者のコメント
まず、Y様ご本人とお子様の現在の状況、さらにY様がお亡くなりになった後のお子様の生活環境について丁寧にヒアリングを行いました。ご希望は遺言書の中で可能な限り具体的な対策を講じることでしたが、遺言書単独では財産管理や生活支援のすべてを包括的に対応するのが難しいため、その制約の中で最大限の工夫を行いました。
最終的に、他の相続人が障害をお持ちのお子様を扶養し支援することを条件とする「負担付相続」を遺言書の中に盛り込む形を採用しました。この内容については、すでに他の相続人が日常的にお子様の面倒を見ていたこともあり、問題なく受け入れていただくことができました。
遺言書の作成は公正証書遺言として行い、当日はお子様も同行いただきました。ご家族全員で遺言書の内容を共有することで、相続後のトラブルを未然に防ぎ、家族全体でお子様を支える意思を再確認する場となりました。
お客様メッセージ
「自分が亡くなった後のことをずっと不安に思っていましたが、遺言書を作成して家族と話し合えたことで、少し安心することができました。先生のアドバイスで負担付相続という形にしたおかげで、全員が納得できる内容になり感謝しています。」