ご依頼の経緯
S様は当初、ご自身でお父様の相続手続きを進める予定でした。しかし、手続きの途中で、山梨県に祖父名義のままの不動産が残されていることが判明しました。
S様の祖父は30年以上前に亡くなっていましたが、相続登記がされないまま、お父様が管理・維持していたことが発覚しました。また、自治体からも「相続手続きを進めるように」との通知が届いていたこと、さらには相続登記の義務化が始まることを知り、お父様の相続と併せて祖父名義の不動産も正式に登記しようと決意されました。
しかし、祖父の相続手続きを進めるには、まず祖父の相続人を確定しなければならず、S様の調査では手に負えないほどの煩雑な手続きが必要でした。そのため、知人の紹介で当事務所にご相談くださいました。
担当者のコメント
今回の相続手続きで特に難しかった点は、30年以上前に亡くなった祖父の相続人を確定する作業でした。
S様の祖父には5人の子ども(S様の父を含む)がいましたが、すでに数名が亡くなっており、代襲相続が発生していました。そのため、相続人を確定するために、以下の手続きを行いました。
- 戸籍の徹底調査
祖父の出生から死亡までの戸籍をすべて取得し、祖父の相続人を確定しました。その際、祖父の子ども(S様の父を含む)がすでに亡くなっている場合、その子(S様のいとこにあたる方)が代襲相続人となるため、さらに戸籍を遡って調査を行いました。 - 相続人の確定と関係整理
最終的に、祖父の相続人は13名にのぼることが判明しました。これにより、祖父の不動産をどうするのか、すべての相続人と話し合う必要が生じました。 - 遺産分割協議の実施
不動産の相続人が多いため、各相続人に通知を送り、意向を確認しました。その結果、誰もその不動産を相続したいという意向を示さなかったため、S様が一旦相続登記を行う形で合意が得られました。 - 相続登記の実施
不動産の名義を祖父からS様へ変更するため、提携する司法書士と連携し、相続登記を行いました。これにより、長年未登記だった不動産の問題を解決することができました。
結果
最終的に、祖父の相続人を確定し、S様への相続登記が完了しました。また、お父様の相続手続きも無事に終え、預貯金などの財産も適切に分割することができました。これにより、自治体からの指摘があった不動産の相続問題もクリアになり、今後の相続登記の義務化にも対応できる形となりました。
お客様の声
「最初は、自宅と預貯金の相続だけだから自分でできると思っていました。でも、祖父の名義の不動産があると分かった瞬間、どうしたらいいか分からなくなってしまいました。戸籍を集めるだけでも大変で、相続人が13人もいるなんて想像もしていませんでした。先生にお願いしていなければ、途中で諦めていたと思います。相続登記の義務化が進む中で、今きちんと対応できて本当に良かったです。ありがとうございました。」