ご依頼の経緯
T様は長年同居していたお母様を亡くされ、相続手続きを進める必要がありました。しかし、T様以外のご兄弟3名はそれぞれ仕事を持っており、相続手続きを進める時間を確保するのが難しい状況でした。そのため、T様が代表して手続きを進めることになり、相続に詳しい当事務所へ相談されました。
最初の課題となったのは、お母様の過去の戸籍の収集でした。戦時中の疎開の影響で、各地を転々としていた時期があり、戸籍上でも複数の養子縁組や離縁の記録が残されていました。このため、戸籍の取得先が全国に散らばっており、通常よりも多くの手続きと時間を要する状況でした。
担当者のコメント
相続手続きにおいて、故人の戸籍を正確に収集することは非常に重要です。戸籍の収集が不完全だと、正しい相続人の確定ができず、遺産分割協議を進めることができません。T様のお母様の場合、過去の戸籍が複雑であり、特に戦時中の影響で移動が多かったことが大きな障害となりました。
当時は現在のように戸籍の広域交付制度がなかったため、私たちは1件ずつ手作業で戸籍の請求を行いました。
具体的には、
- お母様の本籍地を起点に、遡って戸籍を請求
- 養子縁組や離縁の記録がある自治体へ問い合わせ
- 郵送での請求を繰り返し、漏れがないように慎重に確認
といった形で、戸籍の収集を進めました。
収集した戸籍をもとに法定相続情報一覧図を作成し、相続人を確定。T様とご兄弟とともに遺産分割協議を行い、合意のもとで遺産分割協議書を作成しました。その後、不動産や金融資産の名義変更や解約手続きもスムーズに進めることができました。
お客様メッセージ
「母の戸籍がここまで複雑だったとは思いませんでした。最初は途方に暮れていましたが、一つひとつ丁寧に対応していただき、本当に助かりました。兄弟ともども感謝しています。」
この事例のように、戸籍の収集が難航するケースでも、専門家がサポートすることでスムーズに手続きを進めることが可能です。相続手続きでお困りの方は、ぜひ当事務所にご相談ください。