ご依頼の経緯
T様は長年連れ添ったご主人を亡くされ、相続手続きを進める必要に迫られました。しかし、ご主人との間にお子様がいなかったため、相続人はご主人の兄弟姉妹5名となりました。
ところが、そのうちの1名が長年行方不明となっており、相続手続きがどう進むのか見当がつかない状況でした。T様はご自身で対応するのは難しいと感じ、専門家の助けが必要だと判断。信頼できる行政書士を探していたところ、当事務所にご相談くださいました。
対応のポイントと工夫した点
このケースの最大の課題は、行方不明の兄弟がいることでした。相続手続きにおいて、すべての相続人の同意が必要となるため、所在が不明なままでは手続きを進めることができません。そのため、以下の点に重点を置いて対応しました。
- 兄弟姉妹間で話し合いを促し、行方不明の兄弟の情報収集を依頼
- 戸籍を丁寧に収集し、行方不明の兄弟の本籍地や過去の住所を追跡
- 得られた情報をもとに現住所を特定し、手紙を送付して連絡を試みる
具体的な対応内容
まず、T様にはご主人の兄弟姉妹と話し合いの場を設けていただき、行方不明の兄弟についての情報を集めていただきました。過去の住所や連絡先、最後に会った時の状況など、どんな小さな情報でも手がかりになり得るため、慎重に情報を整理しました。
次に、戸籍を徹底的に調査し、本籍地をたどることで行方不明の兄弟の転居履歴を追跡。最終的に現住所を特定することができました。そこで、T様と他の兄弟姉妹から手紙を送付し、相続手続きについての連絡を試みました。その結果、数日後に本人から連絡があり、相続の手続きに協力してもらえることになりました。
また、遺産分割についても慎重に進めました。不動産についてはT様が相続し、それ以外の遺産は法定相続分に従い分割することで、兄弟姉妹間のトラブルを回避する形としました。こうした調整を経て、スムーズに相続手続きを完了させることができました。
結果とお客様の声
最も懸念されていた行方不明の兄弟との連絡が取れたことで、相続手続きを大きなトラブルなく進めることができました。T様も「どうなることかと不安でしたが、親身に対応していただき本当に助かりました」と安心された様子でした。
また、「相続のことは何もわからなかったので、スムーズに手続きを進めていただき感謝しています。今後も何かあれば相談させてください」との嬉しいお言葉をいただきました。
担当者のコメント
今回のケースでは、行方不明の相続人を特定することが最大の課題でした。戸籍を丹念に追跡することで無事に所在を確認でき、ご本人と連絡を取ることに成功しました。相続人が遠方にいたり、連絡が取れない場合でも、適切な調査を行うことで解決の糸口が見つかることがあります。
また、遺産分割においても、T様ができるだけ円満に相続を進められるよう、法定相続分を基準にした分割案をご提案し、無事に手続きを終えることができました。
相続に関するお悩みはケースごとに異なり、特に兄弟姉妹間での相続はトラブルが生じやすいものです。今回の事例のように「相続人の一部が行方不明」という場合でも、適切な手続きを踏めば解決できることが多いです。お困りの際は、ぜひ一度ご相談ください。