ご依頼の経緯
Y様の叔父様は、お子様を残さずに他界されました。そのため、法定相続人は叔父様の兄弟姉妹、もしくはその子どもたち(甥・姪)となりました。Y様の父親も既に亡くなられていたため、Y様は代襲相続人として相続権を持つことになりました。
しかし、叔父様の兄弟姉妹は多く、最終的な相続人は合計14名となりました。これにより、以下のような課題が発生しました。
- 相続人全員の戸籍を収集する必要がある
- 相続人14名全員の合意を得て、遺産分割協議を進めなければならない
Y様は戸籍収集の進め方や遺産分割の方法がわからず、手続きをスムーズに進めるため、当事務所にご相談いただきました。
対応と解決への工夫
① 相続人調査と戸籍収集
まず、相続人を確定するために、叔父様の出生から死亡までの戸籍及び叔父様の父親、母親の出生から死亡までの戸籍を取得し、叔父様の兄弟。また兄弟が亡くなっている場合はその子の戸籍も取得し、相続関係を調査しました。
戸籍収集のポイント:
- 小平市や西東京市などの近隣自治体については、直接市役所に出向き、戸籍を取得
- 遠方の自治体については、郵送で戸籍謄本を請求
14名の相続人それぞれの戸籍を収集し、正式な相続関係を確定しました。
② 遺産分割協議の進め方
相続人の人数が多い場合、遺産分割協議がスムーズに進まないことが一般的です。特に、14名全員が納得する形を作るのは難しく、調整に時間がかかることが予想されました。
そこで、以下の方法を取りました。
- Y様の希望をベースに、遺産分割の方針を決定
- 各相続人に対し、遺産分割協議書の案と説明資料を同封した手紙を送付
- 手紙には「具体的な提案」と「意見を聞かせてほしい」と記載し、柔軟な対応をアピール
- 相続人からの意見を調整しながら、最終的な遺産分割協議書を作成
手紙の文面は、専門用語を極力使わず、誰が読んでも理解できるように工夫しました。また、相続人の中には普段あまりやり取りのない方もいたため、「気軽にご意見をお寄せください」と伝え、話し合いのハードルを下げるようにしました。
結果
14名の相続人全員が納得できる遺産分割協議書を作成することができました。協議がスムーズに進んだことで、各相続人の負担を最小限に抑えることができ、最終的には金融機関の解約手続きや不動産の名義変更も問題なく完了しました。
担当者のコメント
今回のケースでは、相続人が多かったため、戸籍収集と意見調整が最大の課題となりました。
通常、相続人が10名以上になると、話し合いが難航しやすくなります。そのため、今回のように事前に分割案を提示し、個別に意見を聞く方法は非常に有効でした。
また、相続人全員の戸籍を正しく集めることが最初の重要なステップになります。戸籍を取り寄せるには時間がかかるため、早めの対応が必要です。今回は、近隣自治体については直接役所へ行くことでスピーディーに取得し、遠方の自治体については郵送請求を活用することで効率的に進めました。
「相続人が多くて手続きが進まない」「遺産分割協議がまとまらない」というケースでは、専門家が間に入ることで、円滑に話し合いを進めることができます。当事務所では、お客様のご事情に合わせた最適な解決策をご提案いたします。
お客様の声
「叔父の相続手続きが、こんなに大変だとは思いませんでした。特に相続人が14名もいることに驚きましたが、手続きを全てお任せできたので本当に助かりました。遺産分割の進め方も分かりやすく説明していただき、皆が納得できる形になったことを感謝しています。」