■ご依頼の経緯
R様の叔父様(90代)は、それまで元気に生活されていましたが、突然亡くなられました。叔父様には子供がいなかったため、相続人はR様を含む甥姪11名。しかし、叔父様がどのような財産を持っていたのか、誰も把握していない状況でした。
一般的に、故人が施設に入所していたり、身体が不自由だった場合、親族が財産の管理を手伝っていることが多いため、ある程度の財産状況を知っているケースがほとんどです。しかし、今回のケースでは叔父様が元気な状態で急逝されたため、財産に関する情報が全く分からず、手続きの進め方に困っておられました。
インターネットで相続手続きを扱う専門家を探したところ、当事務所の実績を見て「相続に精通していそう」と感じ、ご連絡をいただきました。
■担当行政書士のコメント
今回の相続手続きでは、主に以下の2つの課題がありました。
- 相続人が多いこと(合計11名)
- 相続人が多い場合、それぞれの意向を調整し、スムーズに手続きを進めることが重要です。
- 相続財産が不明確であること
- 財産の全容が分からないままでは、遺産分割協議も進められません。そのため、財産調査が必要不可欠でした。
工夫した点
①遺品整理業者と連携し、財産の手がかりを収集
R様のご依頼として、当事務所が提携している遺品整理業者に遺品整理を依頼。
- 通帳、キャッシュカード、手紙などを丁寧に捜索し、財産の手がかりとなるものを確認しました。
- これにより、叔父様がどの金融機関と取引していたのか、大まかな見当をつけることができました。
②金融機関へ口座照会を実施
遺品整理で判明した情報をもとに、大手銀行、ゆうちょ銀行、信用金庫などに口座の有無を照会しました。
- 一部の銀行では取引履歴が見つかり、預貯金の存在を特定することができました。
- さらに、照会を行わなかった金融機関に口座が存在していた場合でも対応できるよう、遺産分割協議書に「後から発見された財産の取り扱い」について記載 しました。
③相続人の確定と遺産分割協議の進行
- 戸籍謄本を徹底的に収集し、全11名の相続人を確定。
- その後、相続人全員に手続きの流れを説明し、遺産分割協議を進めました。
- 事前に財産調査を徹底していたため、大きなトラブルもなく、スムーズに合意を得ることができました。
■その結果
最終的に、叔父様の財産が明確になり、相続人全員の合意のもとで遺産分割協議を完了。
無事に相続手続きを進めることができました。
また、「後から発見された財産の取り扱い」について事前に決めていたため、今後新たな財産が見つかってもトラブルなく対応できる仕組みが整いました。
相続人11名という大人数でしたが、事前に財産調査をしっかり行い、適切な形で協議を進めたことで、スムーズに解決することができました。
■お客様の声(R様の感想)
「叔父が突然亡くなり、財産のことも何も分からないままどうすればいいか悩んでいましたが、先生に相談して本当に助かりました。遺品整理の手配から銀行の照会、相続人の確定まで、すべてお任せできたのでとても安心でした。
また、相続人が多く、話し合いが難航するかと思いましたが、スムーズに遺産分割を進めていただき、大変感謝しています。さらに、万が一、後から財産が出てきた場合の対処まで考えていただき、今後の不安もなくなりました。本当にありがとうございました。」