ご依頼の経緯
I様は長年にわたりご夫婦で生活されており、お子様はいらっしゃいませんでした。以前から遺言書の作成を希望されていたものの、実際に親族が亡くなったことを契機に「自分も早めに準備をしておきたい」との想いを強くされました。インターネットで情報を収集していく中で、自分一人で書く遺言書には法的な不備が出るのではないかと不安を感じ、当事務所へお問い合わせをいただきました。
担当行政書士のコメント
最初にI様からお話を伺った際、ご夫婦のうちどちらかが先に亡くなった場合には、すべての財産を残された配偶者に相続させたいという強いお気持ちがありました。しかし、双方が亡くなったあとの財産の帰属先についてはまだ考えておらず、「どこまで考えれば良いのか分からない」というご様子でした。
そこで、配偶者がすべてを相続した後のケースも踏まえて、「ご親族への相続」「親しい知人への遺贈」「慈善団体への寄付」といった複数の選択肢をご提案し、じっくりと検討いただきました。その中でI様は「社会のために役立ててほしい」とのお考えから、最終的に特定の慈善団体への遺贈を選ばれました。
工夫した点
・将来の複数シナリオを想定した構成提案
配偶者が生存している場合と既に他界している場合の2つのシナリオを設定し、遺言書に盛り込むことで、どのような場合でも意思が尊重されるよう設計しました。
・価値観に基づいた意思決定の支援
「自分の財産を何に使ってほしいか」を明確にしていただくため、親族・知人・団体への寄付などを具体的に提示。I様の想いを言語化しやすくする工夫をしました。
・公正証書遺言による確実な意思の実現
ご自身で書く自筆証書遺言よりも法的トラブルのリスクが少なく、確実に実現可能な方法として公正証書遺言をご提案。文案の作成、証人の手配、公証役場との調整など、すべて当事務所が対応いたしました。
その結果
I様はご自身の思いを形にした公正証書遺言を無事に作成されました。配偶者への全財産の相続を前提とし、万が一の際には信頼のおける慈善団体へ遺贈が行われる内容となっています。遺言書の完成後は、「これで心の荷が下りた」と安心された様子で、非常に穏やかな表情を見せておられました。
お客様の声
「どこまで考えて遺言書を作ればいいのかも分からなかった私に、たくさんの選択肢を提示してくださって本当に助かりました。自分の思いを言葉にすることもなかなか難しかったのですが、丁寧に話を聞いていただき、想像以上に満足のいく内容に仕上がりました。最初は不安でしたが、最後には本当に作ってよかったと思えました。」
遺言書作成をお考えの方へ
遺言書は、「自分に万が一のことがあったときに、残された人たちに迷惑をかけないように」との想いから作成を検討される方が多いものです。しかし、実際には内容をどこまで書くべきか、どの形式にするべきかといった迷いや不安がつきまといます。当事務所では、ご相談者様の価値観や希望を丁寧にヒアリングし、その意思を確実に形にできるよう全面的にサポートいたします。
東久留米市をはじめとした多摩地域で遺言書作成をご検討の方は、ぜひお気軽にご相談ください。