【東京都版ものほじょ】明日にチャレンジ中小企業基盤強化事業助成金とは【最大2,000万円】

「明日にチャレンジ中小企業基盤強化事業助成金」は、東京都と東京都中小企業団体中央会が連携して提供する助成金制度で、都内の受注型中小企業(下請企業)が自社の技術やサービスの高度化・高付加価値化のための技術開発等を支援し、受注機会や事業範囲の拡大など経営基盤を強化することを通じて、都内産業の振興に資することを目的とした補助金です。今回はこの東京都版ものづくり補助金ともいえる中小企業基盤強化事業助成金について解説します。

助成金ホームページ

対象事業者

中小企業基盤強化事業助成金に申請できる事業者は「中小企業者(会社及び個人事業主)」、「中小企業団体(企業組合や事業場同組合など)」「中小企業グループ(中小企業者又は中小企業団体が集まって構成したもの)」であり、受注型中小企業又は受注型中小企業団体であることが要件となっています。

受注型中小企業とは、以下の要件を満たす事業者を指します。

主として発注者の仕様・企画に基づいて、製品・サービスを提供していること。
発注者の製品・サービスの一部を構成(提供)していること。
最終消費者に対し自己の名で製品・サービスの提供をしていないこと。

これを図に表すと以下のとおりです。(公募要領より転載)

また、東京都内に本店(または主たる事務所)を持ち、2025年4月1日時点で2年以上事業を継続していることも要件となっています。

助成対象事業

中小企業基盤強化事業助成金の対象事業は以下の①~④のすべてを満たす事業である必要があります。

①主として発注者の仕様に基づいて製品、サービスを提供する都内の受注型中小企業者が行う、自社における技術又は自社の提供するサービスの高度化・高付加価値化に向けた技術開発等であること。

②自社における技術的課題の解決があること。

③最終消費者に直接提供される製品又はサービスに関する取組でないこと。

④実施場所が、自社若しくは東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、群馬県、栃木県、茨城県、又は山梨県のいずれかに所在する自社工場であること。

つまりは、大手企業等から下請けとして専門的な商品・サービスを提供している中で技術的課題があり事業者の成長の妨げとなっている場合に、その技術的課題を解決する取組に対して補助が出るという事になります。

中小企業雄団体中央会では過去の採択事例を詳しく載せていますのでその内容を参考にすると以下のような取組が対象事業の例といえます。

事業者:自動車のシート等の縫製専門加工業者

技術的課題:メーカーからの要求度の高まりにより熟練作業員の丁寧な作業が必要。また熟練作業員の育成には時間がかかり、属人性が高い。さらには手作業の為労働集約的な働き方になっており生産性が低い。

取組の内容:超精密加工が可能なCNCミシンを導入し縫製精度の向上と、縫製データ(プログラム)制作による生産工程の自動化を行う。

申請区分

中小企業基盤強化事業助成金では業種に対する区分として「ものづくり区分」・「受託サービス区分」があり、企業規模に関する区分として「小規模企業区分」と「一般区分」があります。各事業者は自社がどこに属するか確認のうえ、適切な申請区分を選択することが大切です。

⑴業種に関する区分

①ものづくり区分

自社の技術の高度化・高付加価値化を図る計画を有し、日本標準産業分類において「大分類 E製造業」に該当する事業者

②受託サービス区分

自社の技術の高度化・高付加価値化を図る計画を有し、日本標準産業分類において「大分類 E製造業」に該当する以外の事業者

⑵規模に関する区分

①小規模企業区分

中小企業基本法に規定する小規模事業者

※公募要領より転載

②一般区分

小規模企業区分に属する事業者以外の事業者。及び小規模企業区分に属しているが一般区分での申請を希望する事業者

補助上限額及び補助率

補助上限額は上記の規模に関する区分によって異なります。

①小規模企業区分…上限1,000万円 (補助率 2/3)

②一般区分…上限2,000万円 (補助率 2/3)

助成対象経費

助成対象経費は受注型中小企業者が行う技術・サービスの高度化・高付加価値化のための技術開発に係るもので以下の経費区分に属しているものに限られます。

①原材料、副資材費

技術開発等の実施に直接使用し消費される原料、材料及び副資材の購入に要する経費。ただし量産を目的とした、製品等の生産に係る経費は助成対象にならず、あくまで試作品等の製造に関するものに限られます。

②機械装置・工具器具費

当該技術開発等に必要な機械装置・工具器具類のリース、レンタル、購入、据付けに要する経費や、機械装置を自社で製作する場合の部品の購入に要する経費。ただし中古品は補助対象外となります。

③委託・外注加工費

自社内で不可能な当該技術開発等の一部について、専門事業者、大学、試験研究機関等に委託する場合に要する経費(例:設計費・デザイン費・性能評価やデータ取得費等)

④産業財産権出願・導入費

開発した製品等の特許(国内外)・実用新案等の出願に要する費用や、それら特許を他の事業者等から譲渡又は実施許諾を受ける場合の費用

⑤技術指導受入費

外部の専門家から技術指導を受ける場合に要する費用

⑥展示会出展・広告費

本事業で開発などを実施した技術・製品・サービスを展示会に出展するために要する出展小間料、資材費、運搬費等の費用や、これら技術・製品・サービスを広報するために要する費用。ただし広告費のうちダイレクトメールに関する費用、ホームページ制作に係る費用は補助対象にはなりません。

⑦直接人件費

自社でのソフトウェアの開発に直接従事する者(常勤役員・正社員に限る)の技術開発に要する時間に対応する人件費。上限は700万円。

申請スケジュール

2025年度第1回募集の申請書類提出期間は、2025年4月1日(火)から4月8日(火)[当日消印有効]となっています。申請期間が1週間しかないので注意してください。

書類審査を通過した場合、6月中旬ころ面接審査があります。面接を通過した場合7月1日(予定)で交付決定となり、7月以降に事業を実施することができます。

事業実施期間は2025年7月1日~2026年9月30日までとなっており、その期間内に事業を完了させることが必要です。(なお、2026年3月31日を超える計画の場合は、2026年3月31日までを第Ⅰ期。4月1日以降を第Ⅱ期として別々に目標設定や、事業計画、交付申請を行う必要があります)事業完了後は2026年9月30日までに実績報告を行い問題なければその後補助金が入金されます。

申請方法は簡易書留等の記録が残る方法での郵送での受付のみとなります。

まとめ

明日にチャレンジ中小企業基盤強化事業助成金は、製造業を中心とした受注型中小企業者が自社の技術やサービスの高度化・高付加価値化に繋がる設備投資等に活用できる補助金になります。その性質から東京都版ものづくり補助金ともいえる補助金です。

中小企業にとって生産性の向上を妨げる課題の克服は非常に重要な問題です。本補助金は最大2,000万円の補助と場合によってはものづくり補助金よりも大きな補助を受けることができ、大規模で思い切った設備投資に活用できると思います。

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三島友紀
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