事業再構築補助金は個人事業主・フリーランスでも申請可能!その要件とは

2025年1月10日に事業再構築補助金の第13回の公募が発表になりました。2月21日現在公募受付中で、3月26日(水)18:00まで受け付けております。

申請事業者の多くは法人ですが、中には個人事業主やフリーランスも応募されており、その中には無事採択された方も数多くいらっしゃいます。

今回は、そんな個人事業主やフリーランスの方が事業再構築補助金に採択される為にはどうしたらいいのか解説してみました。

第13回事業再構築補助金ホームページ

1. 事業再構築補助金とは?

事業再構築補助金は、ポストコロナの時代の経済社会の変化に対応するために新市場進出(新分野展開、業態転換)、事業・業種転換、事業再編、国内回帰・地域サプライチェーン維持・強靱化又はこれらの取組を通じた規模の拡大等、思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援することで、日本経済の構造転換を促すことを目的とした補助金です。
2021年に第1回が行われており、丁度新型コロナウイルスの影響下だったこともあり、コロナによる社会環境の変化に適応した事業の再構築を重視した補助金でしたが、第13回公募では、ポストコロナに対応した事業再構築をこれから行う事業者の取組を引き続き重点的に支援していくと明記されています。

新型コロナウイルスの影響を受けた事業者が、事業を立て直すための重要な支援策のひとつと言える補助金です。

事業再構築指針について

事業再構築補助金を申請するためには、事業再構築指針に基づいた取組みの計画を立てることが必要です。事業再構築指針とは、事業再構築補助金の支援の対象を明確化するため、事業再構築の定義などについて明らかにしたもので、「新市場進出(新分野展開、業態転換)」、「事業転換」、「業種転換」、「事業再編」、「国内回帰」又は「地域サプライチェーン維持・強靭化」の6つを指します。これら6つの類型のうちいずれかの類型に該当することが必要です。

  • 新市場進出(新分野展開、業態転換)
    新たな製品等で新たな市場に進出する。
  • 事業転換
    主な事業を転換する。
  • 業種転換
    主な業種を転換する。
  • 事業再編
    事業再編を通じて新市場進出(新分野展開、業態転換)、事業転換又は業種転換のいずれかを行う。
  • 国内回帰
    海外で製造等する製品について、その製造方法が先進性を有する国内生産拠点を整備する。
  • 地域サプライチェーン維持・強靭化
    地域のサプライチェーンにおいて必要不可欠であり、その供給に不足が生じ、又は、生ずるおそれのある製品について、その製造方法が先進性を有する国内生産拠点を整備する。

2. 個人事業主・フリーランスも申請可能

事業再構築補助金を申請できる補助対象者は「日本国内に本社を有する中小企業者等」とされています(他にも細かい要件はあります。下記参照)そして中小企業者とは資本金または従業員数が下表の数字以下となる会社「又は個人」であること。とされています。

第13回においても、個人事業主やフリーランスも申請対象として明記されているため申請は可能です。ただあまり多くはないと思いますが、例えば個人事業主で小売店を営んでおり従業員が51人以上いる場合などは申請できないため、注意をしてください。

業種資本金従業員数
製造業・建設業・運輸業3億円300人
卸売業1億円100人
サービス業5,000万円100人
小売業5,000万円50人
ゴム製品製造業3億円900人
ソフトウェア業、情報処理サービス業3億円300人
旅館業5,000万円200人
その他の業種3億円300人

その他の申請要件

これまで見てきたような事業再構築指針に合致する事業計画を計画しており、かつ、上記表の従業員数以内の個人事業主は事業再構築補助金を申請することができますが、それ以外にも以下のような要件を満たす必要があります。

  1. 金融機関要件
    ・事業計画について金融機関等又は認定経営革新等支援機関の確認を受けていること。
  2. 付加価値額要件
    ・補助事業終了後3~5年で、付加価値額が年率平均3.0~5.0%以上増加する見込みであること。
  3. 給与総額増加要件
    ・事業終了後3~5年で給与支給総額を年平均成長率2%以上増加させること。
  4. 市場拡大要件
    ・取り組む事業が、過去~今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上拡大する業種・業態に属していること。
  5. 最低賃金要件
    ・2023年10月から2024年9月までの間で3か月以上最低賃金+50円以内で雇用している従業員が全従業員の10%以上いること。

※給与総額増加要件と市場拡大要件を共に満たした場合は申請枠は成長分野進出枠(通常類型)となる。最低賃金要件を満たした場合は申請枠はコロナ回復加速化枠(最低賃金類型)となる。

3. 補助金額と補助率

補助金の上限額や補助率は、申請する事業類型や従業員数によって異なります。

3-1. 補助金額と補助率(個人事業主向け)

事業類型従業員数補助金額補助率
成長分野進出枠
(通常類型)
20人以下100万~1,500万円1/2(2/3 ※)
21~50人100万~3,000万円1/2(2/3)
51~100人100万~4,000万円1/2(2/3)
101人以上100万~6,000万円1/2(2/3)
コロナ回復加速化枠
(最低賃金類型)
5人以下100万~500万円3/4
6~20人100万~1,000万円3/4
21人以上100万~1,500万円3/4

※( )内は短期に大規模な賃上げを行う場合に補助率があがります。

13回で公募されている主要な申請枠の2つについて記載しましたが、それ以外にもGX進出類型があり、さらに2つの上乗せ措置(卒業促進上乗せ措置・中長期大規模賃金引上促進上乗せ措置)があります。

ただ、個人事業主の場合は多くの場合小規模な事業を営んでいると思いますので、事業の規模に応じた補助事業を計画するべきです。年間売上高1,000万円の事業主が補助事業に5,000万円かけるのは必要最低限の投資とは見る事ができず、印象が悪くなりますので注意をしてください。

4. 必要書類と申請手続き

申請時には以下の書類が必要になります。

4-1. 必要書類一覧

  1. 事業計画書(PDF形式)
  2. 認定経営革新等支援機関の確認書
  3. 直近2年間の決算書(個人事業主の場合は青色申告書又は収支内訳書)
  4. ミラサポplus「ローカルベンチマーク」の財務情報
  5. 従業員数を示す書類
  6. 固定資産台帳
  7. 収益事業を行っていることを証明する書類(個人事業主の場合は直近の確定申告書第一表及び所得税青色申告決算書又は収支内訳書)

4-2. 申請前の準備

  1. GビズIDの取得
    • 申請にはGビズIDが必要となるため、事前に取得しておく必要があります。個人事業主の場合は即日発行もできるようになっています。
  2. 事業計画の策定及び認定支援機関の確認書の取得
    • どのような補助事業を行っていくのか検討して作成をしておきます。作成にあたっては認定支援機関と連携して、確認書を発行してもらう事が必要です。
  3. 加点項目の対応
    • 事業再構築補助金では別制度に登録したり認定をもらっておくことで、加点が付き採択されやすくなります。以下のような加点制度があるので対応できそうなものは加点をもらっておく事が大事です。
  • 「パートナーシップ構築宣言」
  • 「健康経営優良法人」
  • 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく認定(えるぼし・プラチナえるぼし)」
  • 「次世代育成支援対策推進法に基づく認定(くるみん・トライくるみん・プラチナくるみん)
  • 「技術情報管理認証制度」
  • 「成長加速マッチングサービス」
  • 「地域未来牽引企業」
  • 「アトツギ甲子園」

5. 個人事業主の申請にあたっての注意点

  • 必要書類の収集
    • 個人事業主は法人よりも、自分で確定申告等を行っている方が多く、控え書類に不備があるケースが多いです(税務署の受領印がない。受信通知がない等)事業計画を策定しても必要書類が不足しているとNGですので一番最初に確認をしてください。
  • GビズIDの取得と電子申請システムの準備
    • 事業再構築補助金は郵送申請が認められておらず、全てJグランツを使った電子申請になります。Jグランツの使用にはGビズIDが必要になるため早めに取得しておく事が必要です。また、Jグランツの使用方法に不安がある方は親族や専門家等に入力の代行(申請そのものを代行することは不可)を依頼しておくなど準備が必要です。
  • 対象経費の精査
    • 経験上、事業再構築補助金に申請する個人事業主の方は多くが店舗や工場のリニューアルとして建物費を計上しています。その場合、既存事業やプライベート空間との明確な区分けが必要になります。どこまでが補助事業で活用する部分なのか。予め公募要領をよく読み精査しておく事が大切です。
  • 受給までの資金繰り
    • 補助金は後払いで、補助事業にかかる費用はいったん全て事業者が支払う必要があります。そのため、資金に余裕がないと後から返ってくるとはいえ補助対象経費を支払うことができずに補助事業を進めることができなくなります。交付決定が降りればつなぎ融資として金融機関からの借り入れも比較的容易にできるため借入を含めた資金繰り計画はたてておく必要があります。
  • 個人事業主ならではの事業計画の作成
    • 補助金の申請には事業計画の作成が必要ですが、この作成においても個人事業主ならではの特性を考えることで、採択に近づく可能性があります。例えば、「競合他社と比べ個人事業主の自分が持っている強みや優位性」「個人事業主として補助事業の中長期的な課題」「ニッチな分野への進出」「地域の特性を活かした事業」等

6. まとめ

事業再構築補助金は、個人事業主・フリーランスでも申請可能な補助金です。現在公募中の13回で終了と明言されていますので要件に当てはまる方で、事業拡大や、新規事業を検討している個人事業主は活用を検討する価値があります。

申請にあたっては多くの申請書類や精度の高い事業計画書が必要となるため、事前準備を徹底し、認定支援機関と連携しながら、採択される事業計画を作成することが重要です。

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三島友紀
“中小企業の力で多摩地域を元気に
スタートアップや中小企業の皆様に対し、補助金や融資といった資金調達をサポートします。中小企業が元気になる事で多摩地域全体が盛り上がると考えております。丁寧に、二人三脚で、誠心誠意対応します。

<保有資格>
行政書士/認定経営革新等支援機関/ファイナンシャル・プランナー

<対応業務>
補助金申請サポート、建設業許可サポート、相続サポート