小規模事業者持続化補助金はホームページの作成に活用可能。注意点と方法を解説

1. はじめに

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者や個人事業主が販路開拓や業務効率化を進める際に、その経費の一部を支援する補助金です。様々な取組みに活用できますが、会社設立直後や新商品新サービスの導入初期に特に多いご質問がホームページ制作に使えるのというご質問です。結論から言うとホームページの作成費用も補助対象となります。適切に活用することで自社の商品サービスの販路拡大に繋げることが可能です。

本記事では、小規模事業者持続化補助金を活用してホームページを作成する際の注意点や申請方法について解説します。

2. ホームページ制作は補助対象になる

小規模事業者持続化補助金では、合計8つの補助対象経費が設定されていますが、ホームページの制作は「ウェブサイト関連費」という経費区分に分けられており、公募要領でも明確に補助金の対象になる事が明記されています。

またホームページを作るだけでなく、SEO対策に関する費用商品・サービス販売に繋がる動画制作ECサイト等商品・サービスの販売に関するシステム構築の費用等も対象となります。

ただしウェブサイト関連費には次のような注意点も多い為、申請にあたってはしっかりと検討してから申込みしましょう。

3. 注意点

ホームページ制作に補助金を活用する際には、以下の3点に注意が必要です。

⑴ 商品・サービスの販路開拓につながるホームページであること

直接または間接的に商品・サービスの販路拡大につながるホームページである事が求められています。単なる会社のコーポレートサイトやブランディング向上のためのサイト、求人目的のみのホームページは対象外となります。

⑵ ウェブサイト関連費は単独で申請できない

2022年の第8回公募から、ウェブサイト制作費のみの申請は不可となりました。そのため、ホームページ制作を補助対象とする場合は、他の補助対象経費(例:広報費や機械装置等費など)と組み合わせる必要があります。

⑶ウェブサイト関連費には全体の補助金総額に応じた限度額がある

ウェブサイト関連費は補助金交付申請額全体の1/4まで(最大50万円)が上限となっています。例えば、ホームページ制作で補助金50万円を申請する場合、ホームページ制作の補助対象経費は75万円です(補助率2/3)この場合において補助金50万円を受け取るにはホームページ制作以外の広報費や機械装置等費で225万円の補助対象経費を計画し、ウェブサイト関連費以外の経費項目で150万円を計上しなければいけません。このケースであればウェブサイト関連費の補助金上限50万円を受給できます。

ウェブサイト関連費(75万円)+機械装置等費(100万円)+広報費(125万円)=300万円

300万円×2/3=200万円(A)

75万円×2/3=50万円(B)

BがAの1/4になっているのでBは満額認められることになります。

ただし、補助金は採択さえされれば必ず受け取れるわけではなく、補助事業実施後に実績報告でも検査されます。実績報告時に改めて各経費の支出金額や割合を確認されることになる為、採択後も注意が必要です。

4. 当事務所が関与したホームページ関連の採択事例

当事務所では、過去に以下のような企業様のホームページ制作に関する補助金申請をサポートし、採択実績があります。

⑴ 美容関連の会社様のホームページ作成

  • 美容関係の新サービスについて予約機能のついたホームページ制作を申請し採択されました。この時はホームページ以外にチラシやチラシの配布に関する費用として広報費を。美容サービスの施術に必要不可欠な機械や備品に関する費用として機械装置等費を計上しました。

⑵ 士業関連の会社様のホームページ作成

  • 申請する士業に関連するある業務専用のホームページ制作を申請し採択されました。この時はホームページ以外にチラシを広報費として計上しました。紹介元や取引先へはチラシを活用したアナログな販路開拓を。エンドユーザー向けにはホームページからの新規問合せを狙いました。

⑶ 建設業関連の会社様のホームページ作成

  • 下請けとしての受注だけでなく、個人客からの元請工事を狙い、とある年齢層に向けた独自サービスを紹介するホームページ制作を申請し採択されました。この時もチラシを広報費として計上、地域にポスティングし会社の近隣からの問合せを増やすと同時に遠方からもホームページとウェブ広告からの新規問合せを狙いました。

5. その他の補助対象経費

これまで見てきたように小規模事業者持続化補助金でホームページの制作を狙う場合は他の補助対象経費も検討しないといけません。それではどのような補助対象経費が支援の対象になっているのでしょうか。ウェブサイト関連費以外の補助対象経費も確認してみましょう。

1,機械装置等費補助事業の遂行に必要な機械装置等の購入費
(動力がある機械だけでなく、鍋や棚等も対象)
2,広報費パンフレットやチラシを作成したり、広報媒体等に掲載する為の費用
(パンフレット、チラシ、看板、DM等の発送費)
3,ウェブサイト関連費販路開拓を行うウェブサイトやECサイト、システムの構築作成費用
(ウェブサイト、ECサイト、ウェブ広告、動画制作、SEO対策等)
4,展示会等出展費新商品等を展示会等に出展または商談会に参加するために要する経費
(展示会の出展料、会場までの備品等の運搬費)
5,旅費補助事業計画に基づく販路開拓等を行うための旅費
(宿泊施設の宿泊代、バス・電車・新幹線・飛行機等の料金)
6,新商品開発費新商品の試作品や包装パッケージの試作開発にともなう原材料、設計、デザイン、製造、改良、加工するために支払われる経費(原材料費・デザイン費)
7,借料補助事業遂行に直接必要な機器・設備等のリース料・レンタル料として支払われる経費(機械のリース料、商品サービスのPRイベントの会場費)
8.委託・外注費補助事業遂行に必要な業務の一部を第三者に委託(委任)・外注するために支払われる経費(自ら実行することが困難な業務に限る)
(店舗事務所等の改修工事等、インボイス制度対応のコンサルティング費用)

6. 申請時の注意事項

小規模事業者持続化補助金の申請時には、以下の点に注意しましょう。忘れているとせっかくのホームページ制作が補助対象から外れてしまう事もあります。

  • 事前の見積作成:ホームページ制作費以外の費用において想定よりも安くなった場合、ホームページ制作費用の補助金上限も少なくなってしまう場合があります。予め見積りをきちんと取り、ホームページの費用とそれ以外の費用のバランスを計算しておきましょう。
  • 事業計画書の作成:ホームページの制作が商品サービスの販路開拓に繫がる事を明確に事業計画書で述べるようにしましょう。また販路開拓を行う事で自社の課題の解決に繋がることも述べる事で補助事業の必要性を述べましょう。それ以外にも公募要領に記載の審査の観点を参考に丁寧に作成していきます。
  • 交付決定前の事業実施は不可:申請後、交付決定がおりるまでの間に事業を実施し契約や納品、支払を行ってしまうと補助金の対象から外れてしまいます。それによってウェブサイト関連費とそれ以外の費用のバランスも崩れてしまいます。
  • 証憑の保管をきちんと行う:補助金の需給の為には実績報告の時に、契約書や納品書、請求書に振込の控え等を事務局に提出する必要があります。基本的にはこれらの証憑がない場合は補助金がもらえない事になってしまうのできちんと保管をしておきましょう。
  • 特例の要件を満たしているか確認:小規模事業者持続化補助金には賃金引上げ特例やインボイス特例があります。これら特例は補助事業終了時点で要件を満たしていることが必要なので忘れずに会社として対応しておくようにしましょう。忘れてしまうと補助上限が大きく減少してしまい想定していた金額がもらえなくなる事も考えられます。

7. まとめ

小規模事業者持続化補助金はホームページの制作に活用することができます。ただし、コーポレートサイトは不可で特定の商品・サービスの販路開拓に資する内容であることや、補助金全体の1/4までしか認められない点など、注意点がいくつかある点は抑えておく必要があります。

当事務所では、過去の採択実績を活かし、適切な補助金活用のサポートを行っています。ホームページ制作に関する補助金申請をご検討中の方は、ぜひご相談ください。

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三島友紀
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