【第19次公募】ものづくり補助金公募開始【生産性向上】

ものづくり補助金とは

ものづくり補助金とは、正式には「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」といい、中小企業や小規模事業者が今後数年にわたる相次ぐ制度変更に対応する為、生産性向上に資する革新的な新製品・新サービス開発海外需要開拓を行う事業のために必要な設備投資等に要する経費の一部を補助する事業になります。

ものづくり補助金を活用することで、新しい技術の導入や設備投資、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進により生産性を向上させる事ができます。その結果、今後の労働環境の変化や、最低賃金の引き上げ等の人件費の高騰や原材料費の高騰等のコストの負担増、さらには2023年に本格導入されたインボイス制度への対策等に繋がり、企業の競争力強化と安定的な経営基盤を築く事ができます。

2025年2月14日(金)に第19次公募が発表され、19次以降も4回程度の公募が予定されています。

ものづくり補助金第19次公募のスケジュール

ものづくり補助金第19次公募の公募要領によると申請スケジュールについては以下のとおりとなっています。

公募開始  :2025年2月14日(金)
申請受付開始:2025年4月11日(金)17:00
申請締切  :2025年4月25日(金)17:00(厳守)
補助金交付候補者の採択発表:7月下旬

※補助金交付候補者に採択されただけでは、計画の全ての経費を認められたわけではないので、その後交付申請を行い交付決定を得る必要があります。事業を計画的に進めていただく観点から、交付申請は、原則、採択発表日(補助金交付候補者決定日)から遅くとも 2 か月以内となっています。

※、交付申請時点で事業計画書に記載の事業実施スケジュールどおりに進捗していない場合は、遅延の理由、事業実施可能性等を事務局が確認します。事務局において事業の遂行が困難であると判断した場合は、採択取消し等を行う場合もありますので注意が必要です。

※補助事業実施期間は製品・サービス高付加価値化枠においては交付決定日から 10 か月(ただし採択発表日から 12 か月後の日まで)グローバル枠においては交付決定日から 12 か月(ただし採択発表日から 14 か月後の日まで)となります。期日までに実績報告書等を行う必要がありますので注意してください。

※第19次公募要領より

ものづくり補助金の申請枠と特例措置

第19次公募では申請枠は2つ、特例措置が2つとシンプルな構成になっています。

申請枠は以下のとおりです。

製品・サービス高付加価値化枠

革新的な新製品・新サービス開発の取り組みに必要な設備・システム投資等を支援する枠です。単に機械装置・システム等を導入するにとどまり、新製品・新サービスの開発を伴わないものは補助対象事業に該当しません。

補助上限額

ものづくり補助金の補助上限額はその事業者の雇用する従業員数によって変わります。当然ですが従業員数には役員は含みません。また日雇い労働者や外注は入らず、パート・アルバイトについてはその実態によって入る場合もあります。

従業員数上限額
5人以下750万円
6人~20人1,000万円
21人~50人1,500万円
51人2,500万円

補助率

中小企業 1/2

小規模企業・小規模事業者及び再生事業者 2/3

グローバル枠

海外事業(海外への直接投資に関する事業、海外市場開拓(輸出)に関する事業、インバウンド対応に関する事業、海外企業との共同で行う事業)を実施し、国内の生産性を高める取り組みに必要な設備・システム投資等を支援

補助上限額

3,000万円

補助率

中小企業 1/2

小規模企業・小規模事業者 2/3

大幅な賃上げに係る補助上限額引上げの特例

大幅な賃上げに取り組む事業者について、従業員数規模に応じて補助上限額を引上げ
※ 各申請枠の補助上限額に達していない場合、常時使用する従業員がいない場合、再生事業者、最低賃金引上げに係る補助率引上げの特例事業者については適用不可。

従業員数上限引き上げ額
5人以下100万円
6人~20人250万円
21人~50人1,000万円
51人1,000万円

最低賃金引上げに係る補助率引上げの特例

所定の賃金水準の事業者が最低賃金の引上げに取り組む場合、補助率を引上げ
※ 常時使用する従業員がいない場合、小規模企業・小規模事業者、再生事業者については適用不可。

補助率引上げ 1/2から2/3に引き上げ

申請できる補助対象者

主な補助対象者を記載します。詳しくはものづくり補助金の公募要領をご確認ください。

  • 会社又は個人事業主:資本金または出資金の額、常時使用する従業員数が以下の基準を満たすこと。
    • 製造業、建設業、運輸業、旅行業、その他:資本金3億円以下または従業員数300人以下
    • 卸売業:資本金1億円以下または従業員数100人以下
    • 小売業:資本金5,000万円以下または従業員数50人以下
    • サービス業:資本金5,000万円以下または従業員数100人以下
  • 組合又は連合会:企業組合や商工組合、商工組合連合会。商店街振興組合。酒造組合等
  • 特定非営利活動法人(NPO法人):法人税法上の収益事業を行っており、従業員数300人以下で「経営力向上計画」の認定を受け、認定特定非営利活動法人ではないNPO法人。

2. その他の要件:

  • 3~5年の事業計画を策定し、付加価値額給与支給総額の年率平均成長率の増加、事業場内最低賃金の引き上げなどの目標を設定していること。
    付加価値額の増加目標…補助事業終了後 3~5 年の事業計画期間において、事業者全体の付加価値額の年平均成長率を 3.0%以上増加
    給与支給総額の増加目標…従業員及び役員それぞれの給与支給総額の年平均成長率を 2.0%以上増加。又は 1 人あたり給与支給総額の年平均成長率を事業実施都道府県における最低賃金の直近 5 年間(2019 年度を基準とし、2020 年度~2024 年度の 5 年間をいう。)の年平均成長率以上増加。
    最低賃金の増加目標…補助事業終了後 3~5 年の事業計画期間において、事業所内最低賃金を、毎年、事業実施都道府県における最低賃金より 30 円以上高い水準にする
  • 本社及び補助事業実施場所が日本国内で既に確保されていること。
  • グローバル枠のうち、海外への直接投資に関する事業を行う場合においては、日本国内のほかに海外にも補助事業の実施場所を既に有していること

ものづくり補助金の補助対象経費

第19次公募のものづくり補助金の補助対象経費は以下のとおりです。

1. 機械装置・システム構築費

  • 専ら本事業のために使用される機械・装置、工具・器具(測定工具・検査工具、電子計算機、デジタル複合機等)の購入、製作、借用に要する経費。
  • 専ら本事業のための使用される専用ソフトウェア・情報システムの購入・構築、借用に要する経費
  • これらと一体で行う改良・修繕や据付けに要する経費

    ※最低50万円以上の設備投資を行う事が必須です。

2. 運搬費

  • 運搬料、宅配・郵送料等に要する経費

3. 技術導入費

  • 本事業の実施に必要な知的財産権等の導入に要する経費。

    ※上限額は補助対象経費総額(税抜き)の 1/3

4. 知的財産権等関連経費

  • 新製品・新サービスの事業化にあたって必要となる特許権等の知的財産権等の取得に要する弁理士の手続代行費用、外国特許出願のための翻訳料等の知的財産権等取得に関連する経費。

    ※上限額は補助対象経費総額(税抜き)の 1/3

5. 外注費

  • 新製品・新サービスの開発に必要な加工や設計(デザイン)・検査等の一部を外注(請負、委託等)する場合の経費。

    ※上限額は補助対象経費総額(税抜き)の 1/2

6. 専門家経費

  • 本事業の実施のために依頼した専門家に支払われる経費。

    ※上限額は補助対象経費総額(税抜き)の 1/2

7. クラウドサービス利用費

  • クラウドサービスの利用に関する経費。

8. 原材料費

  • 試作品の開発に必要な原材料及び副資材の購入に要する経費。

9. 海外旅費(グローバル枠のうち海外市場開拓(輸出)に関する事業のみ)

  • 海外事業の拡大・強化等を目的とした、本事業に必要不可欠な海外渡航及び宿泊等に要する経費。

    ※上限額は補助対象経費総額(税抜き)の 1/5

10. 通訳・翻訳費(グローバル枠のうち海外市場開拓(輸出)に関する事業のみ)

  • 事業遂行に必要な通訳及び翻訳を依頼する場合に支払われる経費。

    ※上限額は補助対象経費総額(税抜き)の 1/5
    ※広告宣伝に係る翻訳のみが対象
    ※最大30万円まで

11. 広告宣伝・販売促進費(グローバル枠のうち、海外市場開拓(輸出)に関する事業のみ)

  • 本事業で開発する新製品・新サービスの海外展開に必要な広告(パンフレット、動画、写真等)の作成及び媒体掲載、展示会出展等、ブランディング・プロモーションに係る経費。

    ※上限額は補助対象経費総額(税抜き)の 1/2

ものづくり補助金の審査基準

主な審査基準は以下のとおりです。これらの項目を定性的・定量的情報を用いて、具体的な理由や根拠を示しながら明確に満たした事業計画を策定し、電子申請システムへ入力して申請することになります。

審査項目 1:補助事業の適格性

公募要領に記載の対象者、対象事業、対象要件等を満たしているか

審査項目 2:経営力

  • 本事業により実現したい経営目標が具体化されているか。
  • 市場・顧客動向を始めとした外部環境と、自社の経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)等にかかる強み・弱みの内部環境を分析したうえで事業戦略が策定され、その中で、本事業が効果的に組み込まれているか。会社全体の売上高に対する本事業の売上高が高い水準となることが見込まれるか。

審査項目 3:事業性

  • 本事業により高い付加価値の創出や賃上げを実現する目標値が設定されており、かつその目標値の実現可能性が高い事業計画となっているか。
  • 本事業の課題が明確化され、課題に対する適切な解決方策が示されているか。
  • 本事業により提供される新製品・新サービスや海外需要開拓の対象となる市場の規模や動向の分析がされているか。当該市場は今後成長が見込まれるか
  • 本事業により提供される新製品・新サービスや海外需要開拓が顧客に与える価値は何か。顧客ターゲットが明確か(顧客の特徴(属性・商圏等)が具体的に特定できているか)。顧客ニーズの調査・検証がされているか(対価を支払ってでも本事業により提供される新製品・新サービスを選択したいと考える顧客がどの程度存在するか)。本事業により提供される新製品・新サービスが顧客から選ばれる理由を理解しているか。
  • 本事業により提供される新製品・新サービスと競合する他社製品・サービスや代替製品・サービスに関する分析がされているか。競合する他社製品・サービスや代替製品・サービスに対して、本事業により提供される新製品・新サービスは差別化がされ、優位性を有しているか。

    (グローバル枠のみ)
  • 海外展開等に必要な実施体制や計画が明記されているか。また、海外事業に係る専門性を申請者の遂行能力又は外部専門家等の関与により有しているか。
  • 事前の十分な市場調査分析を行った上で、競争力の高い製品・サービス開発となっているか。
  • 国内の地域経済に寄与するものであるか。また、将来的に国内地域での新たな需要や雇用を創出する視点はあるか。
  • ブランディング・プロモーション等の具体的なマーケティング戦略が事業計画書に含まれているか。

審査項目 4:実現可能性

  • 本事業に必要な技術力を有しているか。また、当該技術力が競合する他社と比較してより優位な技術力か。
  • 本事業に必要な社内外の体制(人材、専門的知見、事務処理能力等)や最近の財務状況等から、本事業を適切に遂行できると期待できるか。また、金融機関等からの十分な資金調達が見込まれるか。
  • 本事業の事業化に至るまでの遂行方法、スケジュールや課題の解決方法が明確かつ妥当か。
  • 本事業は投入する補助金交付額等に対して、想定される売上・収益の規模等の費用対効果が高いか。また、本事業の内容と補助対象経費とが整合しており、費用対効果が明確に示されているか。

審査項目 5:政策面

  • 地域の特性を活かして高い付加価値を創出し、地域の事業者等や雇用に対する経済的波及効果を及ぼすことにより地域の経済成長(大規模災害からの復興等を含む)を牽引する事業となることが期待できるか。
  • ニッチ分野において、適切なマーケティング、独自性の高い製品・サービス開発、厳格な品質管理などにより差別化を行い、グローバル市場でもトップの地位を築く潜在性を有しているか。
  • 異なるサービスを提供する事業者が共通のプラットフォームを構築してサービスを提供するような場合など、単独では解決が難しい課題について複数の事業者が連携して取り組むことにより、高い生産性向上が期待できるか。異なる強みを持つ複数の企業等(大学等を含む)が共同体を構成して製品開発を行うなど、経済的波及効果が期待できるか。また、事業承継を契機として新しい取り組みを行うなど経営資源の有効活動が期待できるか。
  • 先端的なデジタル技術の活用、低炭素技術の活用、環境に配慮した事業の実施、経済社会にとって特に重要な技術の活用、新しいビジネスモデルの構築等を通じて、我が国のイノベーションを牽引し得るか。
  • 成長と分配の好循環を実現させるために有効な投資内容となっているか。

まとめ

このように第19次公募のものづくり補助金では、革新的な設備投資や海外展開を促進する内容となっています。社会環境の変化によって人件費の引上げや原材料費の高騰等に苦慮する中小企業の生産性を高め、稼ぐ力を向上させる為に役立つ補助金といえます。

主に、機械装置・システム構築費を中心に最大3,000万円の補助を受けることが可能な非常に魅力的な補助金ですが、申請には申請要件の理解や事業計画の作成が求められ、戦略的な準備が不可欠となります。

ものづくり補助金について分からない点や、申請に対して不安な点がある場合は、お気軽に当事務所にお問合せください。補助金に精通した当事務所が、あなたの事業を親身にサポートし、成功に向けた最適な申請プランをご提案いたします。

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三島友紀
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行政書士/認定経営革新等支援機関/ファイナンシャル・プランナー

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補助金申請サポート、建設業許可サポート、相続サポート