
行政書士事務所
もしその店舗が商店会に属する地域にあるなら、商店会助成金が使えるかもしれないですよ

なにそれ?教えてください!
店舗の開業を目指している方にとって、大きな課題のひとつは資金面です。物件の初期費用、内装工事費、必要な設備や備品の購入費、さらには毎月かかる人件費や家賃など、開業前後にはさまざまな出費が重なります。そんなときに知っておきたいのが、東京都が実施している「商店街助成金」という制度です。本記事では、商店街助成金の基本から、支援対象となる費用、申請方法まで、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。
商店街助成金とは?
東京都では都内商店街で、新たに店舗を開業しようとする方を支援することで商店街の活性化を図る為「商店街助成金」という支援制度を用意しています。、新たに店舗を開く事業者や、既存店舗とは別の業種業態での多角化を目指している事業者を対象に、必要な費用の一部を補助する制度です。
商店街助成金を利用することで、例えば内装工事にかかる費用や、店舗で使う什器・備品の購入費、さらに一定期間の家賃補助などが受けられます。ただし、助成対象となる地域や店舗には一定の条件があり、東京都内の各市区町村に登録されている商店街に属していることが基本条件となります。
この制度は、単にお金を支給し事業者を支援するだけでなく、地域の商店街を活性化させ、地域コミュニティを支える人材の確保や地域住民や利用者の様々なニーズに答えられる商店街に発展させることができる人材の確保という重要な役割を担っています。助成を受けるためには、事前に商店街の課題を調査したり、事業だけでなく商店街に何ができるか検討するなど準備がとても大切となります。
次回申請締切は2025年7月14日です。
東京都の商店街助成金でサポートされる費用とは?
東京都の商店街助成金では、店舗開業や改装に必要なさまざまな費用が支援対象となっています。ここでは、特に重要な支援対象費用について詳しく見ていきましょう。
店舗新装・改装工事費
商店街助成金では、店舗の新設やリニューアルに必要な内装工事費や電気工事等が対象となります。店舗の壁面や床の改装、照明設備や空調機器の設置といった工事が含まれます。交付決定後に支払った経費が対象となりますが、工事そのものは交付決定前に進める事ができます。
設備・備品購入費
店舗開業時に必要な器具や備品の購入費用も助成対象となります。飲食店であれば厨房機器、カフェであればコーヒーマシン、美容室ならシャンプー台やカットチェアといった、業種に応じた設備や什器の購入が支援されます。ただし1点で10万円以上の物品が対象となる点については注意が必要です。
宣伝・広告費
新規オープンに伴う広告宣伝費も助成対象となります。チラシの作成・配布、オープニングイベントの告知、ホームページ作成費用など、集客活動にかかる費用が補助対象となります。
店舗賃借料
開業後に支払った家賃のうち交付決定後3年間家賃の一定割合が補助されます。開業直後は売上が不安定なことも多いため、家賃補助は経営初期の資金繰りを支える大きなメリットとなります。
商店街助成金を受けるための条件と手続き
東京都の商店街助成金を受けるためには、いくつかクリアすべき条件があります。ここでは主要な条件と、申請の流れについて詳しく解説していきます。
商店街地域に店舗をオープンさせる
助成金の対象となるためには、東京都内の指定された商店街地域に店舗を新たに開業することが必要です。商店街以外のエリアへの出店は対象外となるため、物件選びの段階で商店会エリアに該当しているかを各自治体等に必ず確認しましょう。
事業者にとってはじめての店舗か、既存店舗から多角化した別店舗を出す
助成対象となるのは、事業者にとって初めての店舗を出店する場合(開業)、もしくは既存の業態とは異なる新たなジャンルで多角化した別店舗を出す場合(多角化)に限られます。単なる支店の場合では対象外となりますので注意が必要です。
新たな店舗が決められた業種である
助成金の対象となる店舗は、助成金事務局が定めた「指定された業種」に限られます。飲食店や小売店、サービス業などが中心となります。業種によっては対象外となるケースもあるため、事前に確認しておきましょう。
商店会に入会する
新たにオープンする店舗は、その地域の商店会に加入することが条件となります。商店会への加入によって地域との連携を強め、街全体の賑わいづくりに貢献することが求められています。補助事業終了後も加盟が義務付けられています。
交付決定より遡って半年以内に物件を契約している
申請対象となるためには、助成金の交付決定日からさかのぼって半年以内に物件の賃貸契約を結んでいる必要があります。あまりにも前に契約してしまうと対象外になるため、契約時期には注意をしておきましょう。
申請から交付までの流れ
助成金の申請手続きは、まず商店街への事前相談から始まります。商店街の会長等から出店の承諾書をもらう必要があります。次に、事業計画書や見積書などの必要書類を揃えて申請を行います。書類審査を通過するとその後面接があり面接審査を通過すると交付決定となります。
その後、事業を完了し、実績報告書を提出した後に、助成金が支給されます。なお、家賃に関する部分の助成金だけは交付決定から1年後、2年後、3年後のタイミングで別途助成金の申請を行うことになっています。しっかりとスケジュールを管理し、漏れなく手続きを進めることが大切です。
商店会助成金と若手・女性リーダー助成金の2種類から選択性
東京都では、目的や事業者の区分に応じて2種類の助成金を用意しています。
商店街助成金(商店街起業・承継支援事業)
商店街助成金は、東京都内の商店街地域に新規出店または業態転換を行う事業者を対象とした助成金です。対象者は年齢や性別を問わず法人も対象となります。対象者が幅広く、申請区分も3つのメニューから選択可能なため、より選択肢が多いコースです。
若手・女性リーダー助成金(若手・女性リーダー応援プログラム助成事業)
若手・女性リーダー助成金は、39歳以下の若手起業家や、女性起業家を対象にした助成制度です。こちらは単なる店舗開業支援ではなく、将来的に商店街のリーダーとなる資質を持った人材を育成・支援する目的が強いコースです。将来的な商店街の中核となり、より商店街の活性化に寄与する役割や期待値が高くなっています。
助成限度額と補助率
東京都の商店街助成金と若手・女性リーダー助成金は、助成限度額や補助率、対象者に明確な違いがあります。ここでは、それぞれの制度内容を正確に整理して紹介します。
商店街助成金(商店街起業・承継支援事業)
商店街助成金は、東京都内の商店街地域で新規開業、または既存事業者が新たな業態に挑戦する多角化を支援する制度です。対象者には法人も個人も含まれ、柔軟な利用が可能です。
助成限度額は最大694万円、補助率は対象経費の3分の2以内です。採択倍率も令和6年度は3.6倍~5.1倍と比較的低めになっています。
若手・女性リーダー助成金(若手・女性リーダー応援プログラム助成事業)
若手・女性リーダー助成金は、39歳以下の若手起業家または女性起業家で、かつ新規開業を行う個人事業者が対象です。法人や既存事業者による多角化は対象外です。
助成限度額は最大844万円、補助率は対象経費の4分の3以内と高めに設定されており、自己負担をかなり軽減できるのが特徴ですが、採択倍率は5.7倍~9.8倍と高くなっており採択までの道のりは厳しいものとなっています。
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助成金の種類 | 最大助成額 | 補助率 | 主な対象 | 開業形態 |
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商店街助成金 (商店街起業・承継支援事業) | 694万円 | 経費の3分の2以内 | 法人・個人の新規開業・多角化 | 新規開業・多角化(法人もOK) ・事業承継 |
若手・女性リーダー助成金(若手・女性リーダー応援プログラム助成事業) | 844万円 | 経費の4分の3以内 | 39歳以下または女性の新規個人開業者 | 新規開業(個人のみ) |
申請に不安がある方は専門家に相談を
商店街助成金や若手・女性リーダー助成金の申請には、細かい要件の確認と審査基準を満たした事業計画書の作成が欠かせません。少しでも不安を感じる場合は、専門家のサポートを受けることをおすすめします。
みしま行政書士事務所では、助成金申請を希望する方に向けて、事前相談から書類作成支援、手続き代行まで一貫してサポートを提供しています。安心して申請に取り組むためにも、ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ
東京都で店舗を開業しようと考えている方にとって、商店街助成金や若手・女性リーダー助成金は非常に心強い支援制度です。それぞれ助成限度額や補助率、対象者に違いがあり、自分の事業計画に合った制度を選択することが成功への第一歩となります。
とはいえ、助成金申請には細かな要件の確認や、煩雑な書類作成が伴います。少しでも不安を感じる場合は、専門家のサポートを受けることをおすすめします。みしま行政書士事務所では、助成金申請を希望する方に向けた手厚いサポートを提供していますので、安心してご相談ください。
よくある質問
助成金の申請に必要な書類はどんなものがありますか?
助成金を申請する際には、事業計画書、資金繰り表、見積書、店舗物件に関する資料、商店街出店に関する確認書などが必要です。とくに見積書は取得に時間がかかる場合もあるので早めに取り組んでいきましょう。
商店街助成金を受けるには、どの商店街でも対象になりますか?
東京都内で市区町村に登録されている商店街が対象です。出店予定の場所が対象となる商店街かどうかは市区町村に問い合わせるか、商店街に問合せてみましょう。
家賃も助成金の対象になりますか?
はい、家賃も助成対象経費の一つです。ただし、助成の対象となるのは交付決定日以降に支払った家賃のみであり、それ以前に発生した家賃は対象外となるため注意が必要です。また、助成対象期間や上限額も助成金の種類によって異なります。
事業計画書ではどのような点が重視されますか?
事業計画書では、事業の実現可能性、資金計画の妥当性、商店街活性化への寄与、経営者の適格性が審査基準として重視されます。特に、対象商店街にマッチした店舗コンセプトや、長期的な事業継続性が明確に示されているかが重要なポイントとなります。
助成金申請に不安がある場合、専門家に依頼するメリットはありますか?
助成金申請は、細かな条件確認や書類作成など専門的な知識が求められます。専門家に依頼することで、申請書類の完成度を高め、審査通過の可能性を高めることができます。また、物件契約や開業費用の計画についても適切なアドバイスが受けられるため、スムーズな申請が期待できます。
助成金を利用する場合、物件契約はどのタイミングで行うべきですか?
助成金の申請要件として、物件契約は交付決定日から遡って6か月以内に締結していることが求められます。それより前に契約してしまうと対象外になるケースがあるため、契約のタイミングには十分注意が必要です。
商店街助成金と若手・女性リーダー助成金は併用できますか?
併用はできませんが両方に申請することは可能です。その場合若手・女性リーダー助成金に採択された場合そちらが優先されます。
開業費用の中で、助成対象にならない経費はありますか?
はい、あります。例えば、人件費や、土地の購入費、店舗契約時の初期費用、日常的な運営経費などは助成対象外です。対象となるのは、店舗工事費、什器備品購入費、広告宣伝費、家賃など、事業の立ち上げに直接必要な費用に限られます。
審査では、どのような点に注意して事業計画書を作成すればよいですか?
審査では、地域への貢献度や事業の持続可能性が重視されます。単なる売上目標だけでなく、商店街の活性化につながる取り組みや、地域コミュニティとの連携についても積極的に盛り込むと高評価が得られます。
申請から助成金の交付まではどれくらい時間がかかりますか?
申請から交付決定までには通常数か月3~4か月かかります。交付決定後開業に向けて助成事業をすすめ、開業後しばらくたってから助成金の報告を行う事になりますが、申請から数えて1年程度かかる事もあるため、スケジュールに余裕を持って申請計画を立てることが重要です。
今度新しく店舗をオープンさせるんだけど、工事費や備品で結構お金がかかりそうで、毎月の家賃も不安。なにかいい助成金はないかな