東京都で事業を営む企業や個人事業主、その中でも特にいわゆるスタートアップ企業と言われる創業初期の皆様には共通した課題を抱えています。
多くの場合創業初期の段階では、資金調達や資金繰りが課題となることが多いと思います。また地域や業界内で商品サービスの認知が少ないためどうサービスを周知していくかという問題もあります。
そんな時に返済不要な補助金を適切に活用することで、費用負担を少なく事業の拡大やサービスの周知を進めるという方法があります。
本記事では、東京都のスタートアップ企業が活用できる補助金を厳選して紹介します。スタートアップ向けの補助金に加え、スタートアップ以外の小規模事業者や中小企業向けの補助金も取り上げているので、自社に適した補助金を見つけてみてください。
なお、各補助金名をクリックするとその補助金のホームページに飛べますのでより詳しくしりたい場合はそちらもご覧ください。
東京都のスタートアップ向け補助金
1. 創業助成金(東京都中小企業振興公社)
特徴
東京都内で創業予定の方や、創業後5年未満の個人事業主、法人等を対象に、創業初期に必要な経費の一部を助成する補助金です。
補助額
上限400万円、下限100万円(助成率:対象経費の2/3以内)
利用できる経費
賃借料、広告費、器具備品購入費、産業財産権出願・導入費、専門家指導費、従業員人件費、委託費(市場調査・分析費)など
申請時期
例年5月と11月の年2回の公募
注意点
法人の場合、代表者が個人事業主の経験も含めて5年未満の経営経験である必要があります。そのうえで創業融資や認定特定創業支援事業の支援など18項目の申請要件のどれかを満たす必要があります。
2. 社会課題解決型スタートアップ支援事業
特徴
社会課題の解決に貢献する革新的な製品・サービスを有するスタートアップを対象に、企業・組織とのマッチング支援やビジネスモデルの検証をサポートする補助金。
補助額
上限1,000万円
利用できる経費
ビジネスモデルの検証や製品の実装に関する費用
(例:プロダクトやシステムの改修費、開発費、システム運用費、プロダクト利用料、外注費、 機材リース費や調査研究費、通信費、人件費、交通費 等)
申請時期
一時公募は終了 令和6年12月25日(水)から令和7年1月19日(日)
二次公募は2025年2月6日(木)から2月26日(水)
三次公募の時期は未発表。
注意点
社会課題の解決に資するサービス、商品が対象になります。社会課題とは、DX、環境サステナビリティ、女性活躍支援/フェムテック です。
また創業後概ね10年以内の企業が対象です。
3. 商店街起業・承継支援事業/若手・女性リーダー応援プログラム助成事業
特徴
東京都内の商店街での開業等に必要な経費の一部を助成することで都内商店街の活性化を目指した補助金です。
補助額
商店街起業・承継支援事業…最大694万円(補助率2/3)
若手・女性リーダー応援プログラム助成事業…最大844万円(補助率3/4)
利用できる経費
店舗新装・改装工事費、設備・備品購入費、宣伝・広告費、店舗賃借料 等
申請時期
例年、年度内に3回の公募(令和6年は5月・7月・11月)
注意点
商店街地域内にて実際に店舗を開業する必要があります。また開業する業態として、バーや金融業、卸売業など対象外となっている業態もあります。
4. クリエイター・エンタメスタートアップ創出事業費補助金
特徴
ゲーム、映像、音楽、アート、ファッションなどのクリエイティブ産業を対象に、新たなクリエイターやスタートアップに対し、高品質なコンテンツ等を生み出す事業の創出を支援。
(令和6年度補正予算)
補助額
詳細な補助額は未公表
利用できる経費
詳細な対象経費は未公表
申請時期
申請時期は未公表
注意点
令和7年2月12日(水)まで審査等を担当する事務局の公募が行われており、その後交付申請等についての情報が出てくる予定です。
スタートアップ以外の企業も利用できる補助金
5. 小規模事業者持続化補助金
特徴
小規模事業者の生産性向上と持続的発展を図ることを目的にして、持続的な経営に向けた経営計画に基づく、販路開拓等の取組や、その取組と併せて行う業務効率化(生産性向上)の取組を支援するため、それに要する経費の一部を補助する補助金。
補助額
上限50万円。創業枠や、賃金引上げ枠などに該当する場合最大200万円
利用できる経費
①機械装置等費、②広報費、③ウェブサイト関連費、④展示会等出展費(オンラインによる展示会・商談会等を含む)、⑤旅費、⑥新商品開発費、⑦資料購入費、⑧借料、⑨設備処分費、⑩委託・外注費
申請時期
2025年中に複数回の公募を予定
注意点
小規模事業者(商業・サービス業は常時雇用する従業員が5人以下。製造業、宿泊業、娯楽業、その他の業種は20人以下)が申請できる補助金になります。ウェブサイト関連費は全体の補助金交付申請額の1/4以内にする必要があります。
※令和7年2月8日現在まだ公募要領が未発表の為、内容は変わる可能性があります。
6. IT導入補助金
特徴
中小企業・小規模事業者等の労働生産性の向上を目的として、業務効率化やDX等に向けた ITツール(ソフトウェア、サービス等)の導入を支援する補助金
補助額
上限450万円(補助率は1/2または2/3)
利用できる経費
クラウドサービス、会計ソフト、ECサイト構築、RPAツール、POSレジ導入、パソコンタブレッドなど
申請時期
一次公募 2025年3月31日(月)~2025年5月12日(月)
※2025年中に複数回の公募を予定
注意点
IT導入支援事業者が販売等しているITツールのみが対象となります。
7. 中小企業省力化投資補助金(カタログ型・一般型)
特徴
中小企業の人手不足を解消するための省力化・自動化設備の導入を支援する補助金。また一般型については汎用品ではなくオーダーメイド型のシステムや機械設備の導入を支援する補助金
補助額
上限1億円(補助率1/2~2/3)
利用できる経費
ロボット、AI、IoT、無人化システムなどの導入費用
申請時期
カタログ型は通年での公募。一般型は3月中旬~3月下旬公募予定。
まとめ
東京都は独自のスタートアップ企業向けの補助金として創業助成金があり、それ以外にも商店街起業等をはじめスタートアップ向けの使いやすい補助金があります。
またスタートアップ以外でも活用できる小規模事業者持続化補助金やIT導入補助金も資本力の少ないスタートアップ時期は積極的に狙っていきたい優れた補助金といえます。
ただし各補助金はそれぞれ申請できる期間や要件がバラバラとなっているためしっかりと情報を調べ、検討し、事業のフェーズや目的に応じて適切な補助金を活用しましょう。
調べてもわからない時や、申請に不安がある時は当事務所のような専門家に問合せをしてみて疑問を解決するようにしてください。ぜひ、自社に合った補助金を活用し、事業を成長させてください。