補助金とは?助成金との違い。種類や申請方法をわかりやすく解説します。

お金がもらえるなら補助金を申請しようと思う人は多くいらっしゃると思います。しかし補助金と一口に言っても、たくさんの種類があり、さらに「助成金」や「給付金」と名前や種類が違うものもあり「違いがわからない」「自分が対象なのかわからない」という人もいることでしょう。

当記事では、補助金はどのような制度なのかについて、「助成金」や「給付金」との違いを交えながらわかりやすく解説いたします。

補助金とは国や地方自治体が事業者の事業を補助するお金である

補助金とはズバリ言ってしまうと、事業者が事業を前に進める為の経費を国や地方自治体が資金面で補助してくれる制度の事です。

「事業を前に進める為の経費」ですので、事業と関係のないプライベートな資金は補助されません。また、世の中にはたくさんの補助金がありますがそのそれぞれの補助金には「販路開拓」だったり、「設備投資」だったり、「IT化」だったりと目的が決められています。その目的に沿った取組みに対して支出される一定の経費が補助の対象となります。

例:小規模事業者持続化補助金の場合

小規模事業者持続化補助金は公募要領を読むと、「小規模事業者等が自ら作成した持続的な経営に向けた経営計画に基づく、販路開拓等の取組や販路開拓等と併せて行う業務効率化(生産性向上)の取組を支援する」とあります。
この事から小規模事業者持続化補助金は「販路開拓」や「販路開拓と併せて行う業務効率化」についての取り組みを補助してくれるのだとわかります。

補助金の対象経費はあらかじめ決められている

補助金の目的に沿った取組みであればどんな経費も対象になるかというとそういうわけではありません。あくまで取り組みの中で支出される経費のうち公募要領で定めた一定の経費が補助の対象となります。

多くの補助金では設備投資や広告宣伝費が対象になる事が多いです。
新しい新商品の開発に必要不可欠な最先端の工作機械。
また、新しい新商品を世間にPRする為に必要なチラシやウェブ広告。
このあたりの経費は(補助金の種類にもよりますが)対象になる事が多いです。

一方、多くの補助金では、事務所や店舗などの家賃や契約時の諸経費。人件費。仕入に関する費用。PCなどの電子機器、営業車やトラックなどの車両。このような経費は対象にならない事が多いです。

すべての経費が対象になるわけではないので申請時には注意が必要です。

補助金は後払い

補助金とは、事業者が使った経費を後払いで支援する仕組みとなっています。

たとえば1,000万円の工作機械を補助金を使って購入したいと考える事業者の場合は、まず1000万円を自分で工面して購入し、その購入後に所定の手続きを行う事で補助率(多くの場合2/3や1/2)分の補助金が入金される仕組みです。

取り組む事業が高額になればなるほど自分で立て替える費用も高額になる為、自己資金のキャッシュフローや金融機関からの借入などをしっかりと準備していく事が大事だといえます。

事業計画が必須。不採択となることも

補助金の申請時にはそのほとんどの場合、事業計画を作成して、作成した事業計画を審査されて認められた場合に補助金がもらえるという方法をとっています。

事業計画では、その取組の実現可能性や革新性、有効性。自社の経営状況分析の妥当性、ITの利活用。地域社会への貢献度、収益計画などの積算の透明性や有効性等を審査され、他の応募者との相対評価によって採択不採択を判定します。

そのため、多くの応募者の事業計画のレベルが高ければ採択確率は下がりますし、反対に多くのレベルが低ければ採択確率は上がることになります。

採択率は補助金によって異なりますが、先述した「小規模事業者持続化補助金」は約60%ほどを推移しています。

補助金によっては10%前後という非常に難易度が高いものも存在する為、補助金申請の前には採択率についても調べておくといいかもしれません

補助金と助成金、給付金の違い

補助金助成金給付金
申請難易度概ね高い中程度低い
採択率要件を満たした上で事業計画書の
審査がある(採択率70~10%)
要件を満たせばほぼ
100%採択
要件を満たせばほぼ
100%採択
使途制限有(販路開拓や新規事業に
係るものが多い)
有(主に人件費や労務環境
改善に係るものが多い)
無し
金額100万円ほどの補助金から1億円を
超える高額な補助金まで
概ね少額
(50~200万円ほど)
概ね少額
(10~100万円ほど)
入金タイミング後払い後払い
所轄官庁経済産業省・各自治体等厚生労働省等経済産業省・各自治体等

補助金と助成金、そして給付金は似ていますがその中身はまるで別なものとなっています。
そのそれぞれの違いを表したものが上の表となっています。

給付金とはコロナ禍の際に事業者支援、または一般家庭の支援として行われた「持続化給付金」や「特別定額給付金」「事業復活支援金」などの事です。
これらの給付金は申請要件さえ満たせばほぼ必ず支給されており、その支給されたお金についてもこの用途に使ってくださいというような使途制限はありませんでした。
そのため、多くの家庭、企業で貯蓄にまわってしまった。というようなニュースは記憶に新しいかと思います。

給付金と違って、補助金や助成金は使途制限があります。また入金は後払いです。
この経費に使いたいので申請します。と申請し認められた場合には、まず事業者の自己資金で経費を支出しその領収書等のエビデンスを用いて給付手続きを行ってその後入金という流れをとります。給付金との1番の違いは、この使途制限、そして入金が後払いという点にあります。

また助成金と補助金の違いは、使途制限の内容と所轄官庁にあります。

補助金は経済の発展が主な目的ですので、「販路開拓」や「設備投資」など事業に直接係わってくる経費が対象となります。所轄官庁は経済ですので「経済産業省」です。

対して助成金は「雇用」や「労働環境」といった経費に対して対象となるものです。例えばテレワークの環境を整える為に必要な経費であったり、高齢者の雇用にかかる費用であったりといった内容です。所轄官庁は労働という事で「厚生労働省」になります。

補助金、助成金、給付金は似ていますが、それぞれ性質や目的が異なります。その違いを理解して「うちは今補助金が欲しいな」「うちは助成金だな」と考えた上で探してみましょう。

まとめ

補助金とは事業者の事業を前に進めるのを補助する為のお金です。

対象経費はあらかじめ決められており、入金は後払いとなっています。
またもらうためには事業計画書を作成し、審査して採択される必要があります。

その為、あらかじめ今後自社ではどのような取り組みをしていきたいのか、その取り組みにはどのような経費がかかりそうなのか、その経費は自己資金で一旦用意できるのか、それとも借入をするのか。そのあたりも考えた上で自社にあった補助金を探していただくといいと思います。

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三島友紀
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