補助金の話をしているとたまに「100万円くらいならすぐに稼げるから魅力を感じない」とか「労力に対してもらえる金額が釣り合わない」といった話を聞く事があります。
しかし補助金で頂く事ができるお金と売上とは似て非なる性質を持ったお金であり、よほどの大きな企業でなければ50万円の補助金であったとしても積極的に使っていくのがいいと考えています。その点について解説します。
売上=利益ではない
ご商売をやられている方であれば、なにを今更。という感じですが、売上はそのまま利益とはなりません。
売上を上げる為に仕入や原価がある業種であればそれを差し引く必要があります。
さらに店舗や事務所の家賃、スタッフの人件費、広告費や消耗品、交通費などの経費を差し引く必要があります。
これらを差し引いた残りが営業利益として「手元に残るお金」になります。
実際には営業利益からさらに営業外収益や費用、特別収益や費用を考慮して年度の税引き前当期純損益を計算します。
利益 = 売上 - 仕入(原価) - 経費
となり、業種によっては利益は売上の10%程度である。という企業も少なくないでしょう。
補助金とは利益に直結するお金である。
補助金を受給した場合会計上は「雑収入」として扱われます。
雑収入は売上と合算され経費を差し引いた後に収益として課税対象となります。
ここで大事なのは
〇雑収入には仕入(原価)が発生しないということ
です。
補助金は仕入が発生しません。経費は補助金が受給された場合でも受給されなかった場合でも通常変化しませんので
補助金は売上ではなく利益に直結するお金といえます。
つまり利益率(売上に対して何%の利益が残るか表した割合)が10%の企業の100万円の補助金は売上1000万円に匹敵するのです。
まとめ
補助金の100万円は売上の100万円ではなく、利益率が10%の会社であれば売上1000万円に匹敵します。
事業再構築補助金など高額な補助金の場合、補助金1000万円は売上1億円に。補助金5000万円は売上5億円に匹敵します。
このように補助金は多くの中小企業にとって非常に大きな効果をもたらすお金であり、この補助金をベースにして事業を前進させる事で通常よりも早いペースで事業を前進させることができます。
この記事をご覧いただき、1人でも補助金の力の大きさを感じていただける方がいらっしゃると嬉しく思います。